ビジネスユースに欠かせない新幹線内wi-fiとは
2018年5月23日、JR東日本は東北新幹線の一部車両にて無料WiFiサービスの提供を開始すると発表しました。次いでJR九州も2018年秋から全車両にて無料WiFiサービスの提供を開始すると表明しています。
既に東海道新幹線の東京~新大阪を走るN700A系とN700系では同様のサービスが実施されており、多くのビジネスユーザーが利用しています。
このようにJR各社において、移動中のビジネスユースを想定した新幹線内のWiFiサービスが拡充しつつあります。
ただし、利用条件やクオリティなどは各社バラバラであるためユーザーにとっては少々不便であるというのが正直なところです。
また現在すでにWiMAXなどのモバイルルーターを利用しているユーザーは、どちらの方が快適なのか判断に迷う場面もあるでしょう。
そこで今回は新幹線内で利用できるWiFiサービスの現状や将来展望とポケット型WiFi利用者が新幹線内でPC作業する場合のノウハウなどをご紹介します。
新幹線内でネット回線を確保する方法
最初に、新幹線内でPC作業をする際のネット回線の確保について触れておきます。
新幹線は言うまでもなく出張や旅行で利用されるケースが圧倒的に多く、特に東京から関西方面や東北方面に出張するビジネスマンにとって無くてはならない移動手段です。
午前中の列車内では、これから出張先で活用するであろう資料をせっせと作り込んでいるビジネスマンの姿をあちこちで見かけることができます。
ただし、ネット環境には苦心します。
現在、ビジネスユースを前提とした新幹線内でのネット回線の確保方法としては以下の3通りが挙げられます。
ネット回線 | 内容 | 注意点 |
新幹線WiFi | JRが提供する車内WiFiサービス 利用に関しては条件あり | JR各社でサービス内容が違う また、2018年6月時点では東海道新幹線と東北・北陸・秋田・山形新幹線の一部車両のみ |
ポケット型WiFi | プロバイダ提供のポケット型WiFiを使用 | 郊外では繋がらないことが多い 4G回線オプション必須 |
4Gテザリング | 手持ちのスマートフォンを使ったテザリング | データ容量に注意しなければならない |
では、上記それぞれについて簡単に特徴を見ていきましょう。
◇新幹線WiFi
東海道新幹線の場合、利用には条件があります。
UQコミュニケーションズやNTT東西が提供するサービスのユーザーであること、かつ公衆無線LANオプションサービスに加入している事などがその条件です。
条件を満たしていれば無料で利用できるというメリットは大きいです。
無料で使えるという点も魅力です。
しかし通信速度が非常に遅いという声もあります。
無料である事も考えると多少、速度が遅くてもありがたいと言えばありがたいです。
ただ、シビアな通信速度が必要な作業をする場合は、どうしてもストレスがたまりがちです。
2018年5月からサービスを開始した東北・北陸・秋田・山形新幹線の場合はメールアドレスの登録のみで利用可能です。
しかし、こちらも車両が限定されています(順次拡大中)。
◇ポケット型WiFi
広いエリアで高速通信ができるというのがポケット型WiFiのメリットですが、時速300kmを超える新幹線の車内ではハンドオーバーが上手くいかず通信が途切れることがあります。
また、トンネル内や郊外を走行する際はエリア外になることが多々あります。
◇4G・5Gテザリング
広いカバーエリアかつトンネル内でも使えることが多いため安定して接続できます。
ただし、PCの場合データ量が多いため、データ上限プランで契約している場合はその残量に注意してください。
またスマートフォンのバッテリー消費も激しくなるため長時間の利用には向きません。
それぞれこのような特徴があります。
利用環境にもよりますが、新幹線WiFiの使い勝手がイマイチである現時点において、一番現実的なのはやはりポケット型WiFiの利用ではないでしょうか。
新幹線内でもポケット型WiFiは使える?
では、実際新幹線内でモバイルルーターがどの程度使えるのかを確認してみましょう。
いつものようにSpeed WiFi NEXT W05を持ち出し、出張移動を想定して博多→熊本間の九州新幹線で利用してみました。
九州新幹線ですが、博多→熊本間はUQwimaxのエリアマップを見るとこのようにまだら模様となっています。
〇印のあたりがエリア外です。
通信モードはハイスピードプラスエリアモード(WiMAX2+と4G)とし、通信が途切れないようにしてみました。
※現在のWiMAXはWiMAX回線に加えて、au4G、au5Gにも対応しています。
出発してすぐにAmazonプライムで動画再生を行い、途中で再生がストップすることがあるか否かを確認したのですが、結論から言うと動画再生にはまったく支障がありませんでした。
トンネル途中で再生が止まることも無く、熊本到着まで無事に再生できたのです。
九州新幹線の場合、ほぼすべてのトンネル内で4G利用可能であるため、ハイスピードプラスエリアモードであれば全く問題ないということが実証されました。
なお、道中で通信速度を何度か計測しましたが、30Mbpsを下回ることなくビジネスユースとしても全く問題ないのではないかと思います。モバイルルーターとしてのwimax系の優秀さを実感した次第です。
速度測定サイトでもこのように上り44.45Mbps、下り8.51Mbpsとなかなかいい数字を出すこともありました。
今後ますます便利になる新幹線内でのPC作業
最後に新幹線内でのWiFi環境に関する今後の展望を記しておきます。
前述の通りJR各社によって対応は異なりますが、山陽新幹線(JR西日本)でも2018年夏から順次WiFi機器を取り付けてサービスを開始し、2020年3月までに全車両に広げるとしています。
また東海道新幹線(JR東海)も利用条件を緩和し、通信形式も変更した上で誰でも利用できるような無料WiFiに変更していくとのこと。
これらの施策により現在はすべての新幹線内でだれでも自由に使える無料WiFi環境が整備されている状態です。
ビジネスユースはもちろんのこと、インバウンド観光客などにとっても非常に親切なサービスになることでしょう。
また、WiFi環境と同じく移動中のPC作業には電源確保も課題となるでしょう。現在、多くの車両で前後と窓側に電源が用意され、PC作業やスマートフォンの充電に利用することができます。
しかし、未だに電源の用意が無い旧型車両も走行しているため、予約の際には確認しておくと良いでしょう。
まとめ
ビジネスユース上、新幹線の車内WiFi環境はとても重要です。
今後JR各社が新幹線WiFiの拡充に取り組んでいくため、もっと利便性が高くなることは間違いありません。
とはいえ新幹線WiFiが実用レベルまで普及するまではあと2~3年かかるでしょう。
それまでの間、新幹線での移動の多い方はポケット型WiFiを有効的に活用していくことを検討してみるのが現時点ではベストではないでしょうか。
ちなみに新幹線で使うおすすめのポケット型WiFiは無制限で使えるWiMAXです。
WiMAXは最大速度2.7Gbpsと非常に高速である上にWiMAX、au4G、au5Gと三つの回線に対応しており、エリアが広いのも魅力です。
中でもプロバイダのGMOとくとくBBは、月額実質3872円とリーズナブルです。
WiMAXは月額料金が安い上に、無制限、高速、広い対応エリアが特徴。
快適な通信を新幹線の車内で行うならWiMAXのポケット型WiFiが一番おすすめです。
新幹線WiFiも使えますが、通信速度がやや不安定なのが残念な点。
テザリングは容量が限られる上にスマホのバッテリーも消費するのでポケット型WiFiを一つもってくと重宝します。