プラチナバンド獲得に向けて攻勢を強めてきた楽天モバイル。
強気の主張が目立っていましたが、その主張がおおかた認められる結果になりました。
2022年11月8日に公表された総務省の資料では、ドコモ、au、ソフトバンクといった三大キャリアの主張をおしのけて楽天モバイルの主張がほぼ通ったかたちです。
楽天モバイルにとても有利な内容で、プラチナバンドを獲得できそうな雰囲気になってきました。
今回は楽天モバイルへのプラチナバンド再割り当て問題の最新動向について解説します。
1、楽天モバイルへのプラチナバンド再割り当て問題とは?
現状、楽天モバイルはプラチナバンドを持っていません。
楽天モバイルの人口カバー率は97%を突破しました。
対応エリアぐんぐん広がっています。
とはいえ97%です。
残りの3%は対応エリア外で、こちらはauから借りているパートナー回線に接続します。
パートナー回線は5GBが上限で、それを超えると1Mbpsの低速状態になります。
対応エリアの問題だけでなく、対応エリア内でも繋がりにくいという問題も深刻です。
プラチナバンドがないと「対応エリア内でも繋がりにくい」なんて事が発生しがちなんです。
この図の左側、1.7GHz帯が楽天モバイルの周波数帯。
遮蔽物に弱く、建物の奥などで繋がりにくいのが残念な点。
対応エリア内でも繋がりにくい回線はメイン回線としては頼りないですよね。
現在の楽天モバイルの電波は障害物に弱く、屋内に弱いのが決定です。
対して、右側のプラチナバンドは建物の中や影でも繋がりやすいのが特長です。
電波が屋内のすみずみまで届きやすいので、断然、繋がりやすいんです。
楽天モバイルが多くの方のメイン回線に昇格するには、このプラチナバンドは必須とも言えます。
こちらがプラチナバンドの現状になります。
700MHz(メガヘルツ)帯から900MHz帯がプラチナバンド。
ドコモ、KDD、ソフトバンクでほぼ埋まっているのが現状なので、楽天モバイルがプラチナバンドを利用できるようになるには、三社から分けてもらう必要があります。
この再割り当てをどうするかで三大キャリアと楽天モバイルは長く紛糾してきました。
特に楽天モバイルの要求のハードルは高く、三大キャリア側が反発する様相を呈していました。
2、楽天モバイルの圧勝で決着の様相
プラチナバンドの再割り当て問題は楽天モバイルの圧勝とも言えそうです。
楽天モバイル側の主張は以下のとおりでした。
- 1年以内にプラチナバンドを渡して欲しい
- 移行にかかる工事費は負担しない
- 電波の干渉を防止するフィルターは不要
主にこの3つでこの強気な姿勢が際立っていました。
1年以内というのはずいぶんと急です。
さらに工事費を自身では負担せず三大キャリア側で持つべきというのは、ちょっと勝手な主張にも見えていたんです。
それに対して、三大キャリア側の主張をザックリまとめるとご覧のとおり。
- 移行には10年はかかる
- 工事費用は楽天モバイルが負担せよ
- 電波の干渉を防止するフィルターは必要
といったものでした。
主張が真っ向から対立していたんですね。
そして、総務省が11月8日に公開された報告書案は圧倒的に楽天モバイルに有利なものだったのです。
- 工事費は三大キャリアが負担
- 移行期間は5年が適当
工事費は三大キャリア側が負担。こちらは完全に楽天モバイルの言い分のとおりです。
また、5年というのも、準備ができたところからプラチナバンドの再割り当てをすすめていくので導入開始はもっとはやくなるでしょう。
更にフィルターに関しても「必須の作業とはいえない」となっていて楽天モバイルの主張寄りと言えます。
楽天モバイルは11月11日の決算の会見で「2014年3月からの(プラチナバンドの)使用開始をめざす」と言っています。
これは事実上の勝利宣言と見てもいいかもですね。
楽天モバイルへのプラチナバンド再割り当てが決定されたわけではないのですが、ここまで具体的に議論してきて「楽天モバイルにプラチナバンドは割り当てません!」という結末は考えにくいのではないでしょうか。
3、楽天モバイル圧勝の背景には「政治の力」の存在か?
これだけとんとん拍子にコトが運んだ背景には「政治の力」があるという見方もできます。
三木谷氏と政治家との関係の深さは以前の記事で触れました。
参考楽天モバイルがプラチナバンド獲得で攻撃的な主張!背景に政治の力か?
また、次のような記事も参考になります。
菅さんの持論『携帯料金引き下げ』は、三木谷浩史(ひろし)氏が吹き込んだもの。朝食をともにしながら、三木谷氏がレクしているそうだ」(自民党幹部)
SmartFLASH 菅義偉の「お友達」相関図 2020年9月10日
こちらは菅元総理の携帯料金の引き下げの政策そのものが三木谷さんから発信されたものだという見立てです。
もしかしたら楽天モバイルあっての政策だったのかも知れませんね。
いずれにせよ、このような背景もあって楽天モバイルのプラチナバンド獲得はすでに決まっていた可能性も考えられます。
実際、楽天モバイルの参入で携帯料金はずいぶんと下がりました。
これはやはり楽天モバイルの功績と言えるのではないでしょうか。
まとめ
今回は楽天モバイルのプラチナバンド獲得の話題でした。
現在のRakuten UN-LIMIT VIIはご覧のとおり。
0円運用はなくなったものの、3ギガまで1078円、20ギガまで2178円、それ以上はどれだけ使っても3278円です。
この料金のままでプラチナバンドなら最強の回線ではないでしょうかね。
さらに以前は1日10ギガ使うと制限にかかると言われていたのに、その制限も撤廃されたと話題になっています。
こちらの制限は楽天モバイル側が公式に認めたものではありません。
しかし、ユーザーの間では1日10GB使うと、速度制限にかかるという話は有名でした。
この制限がなくなったという話はSNSを中心にあっという間に広がりました。
1日10ギガの制限は実際に検証してみましたが、どうやら撤廃されたようだというのが当サイトの結論です。
文字通りの無制限に使えて最大3278円。
更にプラチナバンドで繋がりやすいなら超強力なキャリアの誕生です。
どうか値上げしないで、このままで行ってほしいですね!
楽天モバイルのプラチナバンド再分配問題。
今後も引き続きウォッチしていきたいと思います。