ソフトバンクのワイモバイルが新しいプラン料金がついに発表されました。
新料金プランの名前は「シンプル2」と言って、現在のシンプルプランの後継になります。
現行プランを引きつぐプラン内容ですが、実質的に値上げと言っていい内容になっています。
auのサブブランド、UQモバイルの実質的な値上げ(人気だった節約モードの廃止など)、ドコモのirumo(OCNモバイルONEを吸収し実質的に値上した)に続いて、ワイモバイルがついに動きました。
今回は、携帯三社の実質値上げトレンドにのったソフトバンクのワイモバイルの新料金プランについて解説します。
ワイモバイルの「値上げ」は単純なものではない!
今回発表されたワイモバイルの新料金。
次の項目で一つ一つ詳しく検証しますが、単純に値上げと言い切れるものではありません。
プラン料金を値上げする代わりに使えるギガを増量したり、家族割や自宅回線のセット割を適応すると安くなったりと様々な仕掛けがあります。
しかし、ギガの増量についていえば、ソフトバンク側が勝手に増量して、その分、勝手に値上げしたとも言えます。
特に以下の日経新聞の記事に注目です。
携帯料金実質値上げ ソフトバンクなど、官製値下げ転機
ソフトバンクは23日、「実質値上げ」となる新料金プランを発表した。データ通信量あたりの料金単価が一部で上昇する。NTTドコモやKDDIも同様のプランを発表済みで、携帯大手3社の実質値上げ策が出そろった。政府主導の「官製値下げ」で携帯料金が下がってきた近年の動きが転換点を迎える。
2023年8月23日 日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2142H0R20C23A8000000/
実質値上げと、タイトルにしっかりと書かれています。
プラン内容は実は、単純に値上にみえないように、データが増量されていたりするんですが、日経新聞、はきっぱり「実質値上」という記述で、思い切った感じです。
「『官製値下げ』で携帯料金が下がってきた近年の動きが転換点を迎える。」官製値下げが転換点にあるという指摘も注目です。
値下げが「転換期」をむかえるとしたら、料金の維持か、値上げなわけですが、値上げと考えて良いと思います。
今後、携帯料金はこういった、不明瞭な、分かりにくい形で値上げがされていくのではないでしょうか。
楽天モバイルが脅威じゃなくなった事がやはり値上げトレンドの一因と言えそうです。
ワイモバイルの「実質値上げ」プランの全貌
さて、こちらがワイモバイルの新料金「シンプル2」です。
しかし、名前に相反して全くシンプルではなく、より複雑になりました。
基本的には容量が増えて、料金が値上げになったと言ってよいです。
プラン内容、詳しくみていきましょう。
ワイモバイルSプランはデータ増量で値上げ
ワイモバイルには3つのプランがありますが、まずは一番小容量のSプランから解説します。
容量は3ギガから4ギガになりました。1ギガの増量ですね。
そしてその分、月額料金は高くなります。
旧料金が2178円であったの対して、新料金は2365円です。
要するに「1ギガ増えた分、値上げしましたよ」と言いたい感じです。
でも、増量して欲しいなんてユーザーは思っているのでしょうか。
ワイモバイル側が勝手に増量して勝手に値上した、とも言えそうです。
今後も使えるデータ量の増量と月額料金の値上げはセットで行われると推測されます。単純な値上げと、とられないためです。
ちなみに3ギガから4ギガへ増量された背景にはLINEMOのミニプランがあると思われます。
LINEMOはソフトバンクのオンライン専用ブランド。
ミニプランは3ギガで990円/月とリーズナブルで、ワイモバイルの旧Sプランと競合になっていました。
そして、これに光回線セット割や家族割を適最大応した月額料金が一番下です。
旧料金が990円と1000円を切っていたのに対して、新料金は1078円になります。
すべての人がこういった割引の適応対象というわけではないので、その点は注意です。
そして、毎月の容量を追加できる増量オプションは、2ギガのプラスで月額550円です。
Sプランはまだそれほど、ひどい値上げとは言えません。次にMプランを見てみましょう。
ワイモバイルMプランは増量オプション追加以上の値上げ
そして、Mプラン。3つあるうち、二つ目のプランです。こちらは、容量は15GBから20GBへ、5GB増量されます。
月額料金は3278円から4015円に値げ。かなり値幅が大きいですよね。一気に4000円台になってしまいます。
ただし、最大に割引が適応されれば、旧料金は2090円、新料金なら2178円まで割引になります。
そして、増量オプションで5GBをプラスするには550円かかります。
割引前の、素の月額料金に注目して欲しいのですが、旧料金は15GB使えて3278円。
これを20GB使えるようにするには、増量オプションでプラス550円かかります。
つまり現行プランなら3278円+550円。3828円で新料金と同じ20GB使えるんです。
新料金プランは20GBで4015円なのでやはり割高です。
もちろん、最大割引を適応すれば、そんな差はないんですが、全員が最大割引の対象ではありません。
やはり完全に実質値上げといってよいでしょう。
ワイモバイルLプランも決して安くはない
そして、最後、一番大容量のLプラン。
データ容量は25GBから30GBへと、5GB増量されます。
その分、というか、それ以上に月額料金は値上げされて、4158円だったのが、5千円の大台、5115円になります。
こちらにもセット割や家族割が最大に適応されると、旧料金は2970円、新料金は3278円まで下がります。
要するに他のソフトバンクのサービスや、ワイモバイルのサービスを沢山使えばここまで月額料金は下がりますよという事で、最大割引が適応される方は限られています。
こちらも割引前の素の月額料金に注目です。
旧料金は25ギガで4158円。
これに、増量オプションを使えば、現在でも新料金と同じように30ギガ使えるようにする事ができます。
増量オプションは5ギガ、550円ですから現行プランなら、4158円+550円、つまり4708円で、月30ギガ利用できます。対して、新プランは5115円ですから、やはりこちらも値上げ。
最大割引適応後の料金なら、そんな事はないのですが、何度も言う通り、最大割引が適応される方は限られています。
1ギガ以下の利用なら安くなるという訴求も
そして、さらにちょっとした、小技みたいのがあります。
MプランとLプランは、1ギガ以下の利用なら1078円でOKになります。
あまり使わない月は安くなるという事ですが、すごく微妙です。
なぜ1ギガ以下なのか?
ユーザーの利便性を考えるならもっと細かい段階制にした方が良いのではないでしょうか。
ワイモバイルのデータ超過後の通信制限も厳しくなる
さらにデータ超過後の通信制限も厳しくなります。
また、複雑になってしまうんです。
名前だけはシンプルですが、シンプルさはどこに行ったのでしょうか。
Sプランは従来は、データ上限超過後300kbpsでした。
超過後ずっと300kbpsで利用できたんですが、新プランになると6GBが上限になり、以降は128kbpsという超低速になります。
要するにデータ上限の4GBまでは通常の速度、4GB超過後は300kbps、6GB超過後は128kbpsという段階制になりました。
シンプルという名前とかけ離れています。
Mプランも同じで、旧プランは超過後ずっと1Mbpsだったのが、新プランは30GBまで1Mbps。
30GBを超過するとさらに制限されて128kbpsになります。
Mプランの上限は20GBですから1Mbpsで利用できるのは10GB、という事になります。
Lプランも同様。旧プランは超過後1Mbpsで特に制限はなし、新プランは、45GBまでという制限があります。
ちなみに同じくソフトバンクのオンライン専用ブランド、LINEMOの場合は、通信制限後も特に使えるギガの制限はありません。
ミニプラン(3GB)なら超過後300Mbps、スマホプラン(20GB)なら超過後1Mbpsでずっと使えます。
通話かけ放題も実質値上げ
そして、通話かけ放題。こちらも値上です。
10分かけ放題は、今まで770円だったものが、新料金、880円。
無制限のかけ放題は、1870円が1980円に値上げです。
ただ、それだけだと単純な値上っぽいので、様々な機能が、新プランの方に付いているように見えます。留守電だとか、割込み通話とかですね。
とはいえオプションが不要な方にとっては、ただ単に料金が高くなっただけです。
さらに、これには別途申し込む必要があるので、最初からこの機能がついているわけではないので注意です。
あらかじめついてついているように見間違うんですが、申し込む必要があるて、なんかすごい微妙です。
ワイモバイルの新料金まとめ
以上が、ワイモバイルの新料金プランです。
注意点というか罠がとても多いですよね。何度もいうようですが、これでシンプルと名前がついているのは皮肉な気がします。
やはりワイモバイルも実質値上げと考えて良いでしょう。
こういった値上げトレンドは、やっぱり楽天モバイルの力が弱まったせいもあるんじゃないかなと思います。
楽天モバイルに頑張ってもらわないと、他キャリアは今後、さらに遠慮なく値上げしていくでしょう。そのためにも楽天モバイルには頑張ってもらいたいですね。
楽天モバイル、最近、評判悪くないし、結構いけてると思います。かなりおすすめです。